「市街化調整区域なのに...

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2026/08/31

「市街化調整区域なのに家が建てられる?」姫路市の「特別指定区域制度」を不動産会社がやさしく解説

姫路市内の学校では本日が始業式のところも多いのではないでしょうか?

 

そんな中、姫路市では、夏休みの期間、涼しい環境で勉強や宿題に取り組んでもらおうと、中学生以上を対象に市議会の会議室を無料で開放したそうです。

 

ちょっと違った空間で勉強することで集中できたかもしれませんね。

 

このような取り組みはどんどんやって頂きたいです。


 

さて不動産の仕事をしていると、

 

「この土地は市街化調整区域ですが、家は建てられますか?」

 

というご質問をいただくことがあります。

 

一般的に「市街化調整区域」と聞くと、「家を建てることができない土地」というイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。

 

実際、市街化調整区域は、無秩序な市街化を防ぐために「市街化を抑制する区域」とされており、建築や開発には厳しい制限があります。

 

一方、姫路市には、市街化調整区域の中でも地域の実情に合わせて住宅などの建築を可能にする、

 

「特別指定区域制度」

 

があります。

 

今回は、不動産会社の立場から、この制度についてできるだけ分かりやすく解説します。

 

 


 

そもそも「市街化調整区域」とは?

 

まず、特別指定区域を理解するためには、「市街化調整区域」について知っておく必要があります。

 

都市計画では、無秩序に住宅や店舗などが広がってしまうことを防ぎ、計画的なまちづくりを行うため、

 

区域を大きく

 

●市街化区域

 

●市街化調整区域

 

に分けることがあります。

 

市街化区域は、すでに市街地が形成されている区域や、今後おおむね10年以内に計画的に市街化を進める区域です。

 

一方、市街化調整区域は、

 

「市街化を抑制すべき区域」

 

とされています。

 

そのため、市街化調整区域では、一般的な住宅や工場などを自由に建築することはできません。

 

姫路市も、市街化調整区域では原則として新たな開発が制限されていると説明しています。

 

 


 

では、なぜ「特別指定区域」なら家を建てられるの?

 

ここが今回の一番大切なポイントです。

 

市街化調整区域には、昔から形成されてきた集落があります。

 

そこに住む人が減少し、少子高齢化が進むと、

 

●子ども世代が地域に戻ってこない

 

●空き家が増える

 

●地域の人口が減る

 

●地域コミュニティが維持できなくなる

 

といった問題が起こります。

 

「市街化を抑制する」というルールを厳格に適用し続けると、こうした既存集落そのものが衰退してしまう可能性があります。

 

そこで姫路市が平成28年(2016年)4月1日から始めたのが、

 

「特別指定区域制度」

 

です。

 

姫路市によると、この制度は、住民が中心となって「まちづくり協議会」を組織し、地域の課題を解決するための土地利用計画を作成。

 

その計画に基づいて市が区域を指定し、地域の活性化などに必要な建築物の立地を可能にする制度です

 

つまり簡単に言えば、

 

「市街化調整区域だけど、この地域では地域の維持・活性化のために、一定の建物を建てられるようにしましょう」

 

という仕組みです。

 

 


 

特別指定区域なら「誰でも家を建てられる」の?

 

ここは非常に注意が必要です。

 

答えは、

 

「区域によります」

 

です。

 

姫路市の特別指定区域には、4つの「メニュー」があります。

 

① 集落活性区域

 

比較的、建築できる範囲が広い区域です。

 

誰でも、

 

●戸建て住宅

 

●長屋

 

●兼用住宅

 

●共同住宅

 

●寄宿舎・下宿

 

などを建築できる仕組みになっています。

 

つまり、特別指定区域の中でも、

 

「市外・区域外から新しく住む人を呼び込む」

 

ことを意識した区域と考えると分かりやすいでしょう。

 

 


 

② 地縁者の住宅区域

 

こちらは少し条件が厳しくなります。

 

建築できるのは、

 

「地縁者」

 

に限られます。

 

姫路市では、地縁者を原則として、

 

建築予定地周辺の市街化調整区域に通算10年以上居住している、または居住していた人

 

としています。

 

つまり、

 

「姫路市内の人なら誰でも建てられる」

 

という意味ではありません。

 

その地域と一定のつながりがある人が、自分で住むための住宅を建築するための制度です。

 

 


 

③ 新規居住者の住宅区域

 

こちらは文字どおり、

 

新しくその地域に住む人

 

を受け入れるための区域です。

 

誰でも戸建て住宅を建築できる区域として指定されます。

 

ただし、当然ながら「新規居住者の住宅区域に指定されている=どんな住宅でも自由に建てられる」というわけではありません。

 

住宅の規模や敷地、道路などについて一定の基準があります。

 

 


 

④ 地縁者の小規模事業所区域

 

住宅だけではなく、

 

地域に住む地縁者が小規模な事業所を建てる

 

ことを可能にするための区域です。

 

こちらも誰でも事業所を建てられるわけではなく、原則として一定期間その地域周辺の市街化調整区域に居住しているなどの条件があります。

 

また、自己の業務のために使用することなど、さまざまな条件があります。

 

 


 

ここが重要!「特別指定区域=何でも建てられる」ではありません

 

不動産の売買で特に注意していただきたいのが、この部分です。

 

例えば、

 

「特別指定区域に指定されている土地だから、好きな住宅を建てられる」

 

というわけではありません。

 

姫路市の基準では、特別指定区域内であっても、

 

●その区域で認められている建築物であること

 

●必要な公共施設が整備された区域であること

 

●敷地面積は原則180㎡以上

 

●建築物の高さは原則10m以下

 

●外壁などから敷地境界まで原則1m以上

 

などの共通要件があります。

 

さらに戸建て住宅の場合は、原則として延べ床面積280㎡以下、敷地面積はおおむね500㎡以下などの基準があります。

 

長屋・共同住宅などについても、敷地面積1,500㎡以下などの基準があります。

 

つまり、

 

「建築できるようになる」=「通常の市街化区域と同じように自由になる」

 

ではないのです。

 

 


 

姫路市内には実際にどんな場所がある?

 

姫路市では、特別指定区域として現在、複数の地区が指定されています。

例えば、

 

●豊富町

 

●飾東町

 

●石倉

 

●林田町

 

●船津町

 

●山田町

 

●六角

 

●西脇

 

●豊富町神谷

 

などに特別指定区域があります。

 

姫路市が公表している指定状況では、令和7年(2025年)2月26日時点で19地区が掲載されています。

 

ただし、同じ町内だからといって、すべての土地が特別指定区域というわけではありません

 

ここも不動産取引では非常に重要です。

 

例えば「○○町の土地だから特別指定区域」という判断はできず、

 

「その土地の地番が、実際に指定区域の中に入っているのか」

 

を確認する必要があります。

 

 


 

特別指定区域の土地を購入するときに注意したいこと

 

では、実際に不動産を購入する場合は、何を確認すればよいのでしょうか。

 

① 本当に特別指定区域内なのか

 

まずはここです。

 

「市街化調整区域だけど、家が建てられると聞いた」

 

という情報だけでは不十分です。

 

特別指定区域は、一定の範囲を指定した制度です。

 

土地の所在地・地番まで確認する必要があります。

 

 


 

② どの「区域メニュー」なのか

 

同じ特別指定区域でも、

 

集落活性区域なのか、新規居住者の住宅区域なのか、地縁者の住宅区域なのか

 

によって、建築できる人や建物が変わります。

 

したがって、

 

「特別指定区域かどうか」だけではなく、「何の区域なのか」まで確認することが重要です。

 

 


 

③ 誰が建てるのか

 

特に地縁者の住宅区域などでは、

 

「その土地を買えば誰でも家を建てられる」

 

とは限りません。

 

通算10年以上その周辺の市街化調整区域に居住しているか、居住していたかなど、申請者自身の条件が関係してきます。

 

 


 

④ 農地の場合はさらに注意

 

特別指定区域に入っているからといって、農地を購入してすぐに家を建てられるとは限りません。

 

農地の場合は、別途、農地転用の手続きが必要です。

 

さらに農業振興地域の農用地区域に入っている場合は、農用地区域からの除外手続きが必要になるケース

 

もあります。

 

つまり、

 

都市計画法だけ確認すればいいわけではない

 

ということです。

 

 


 

災害リスクにも注意が必要です

 

もう一つ、現在の特別指定区域を考えるうえで重要なのが、

 

「災害リスク」

 

です。

 

近年の都市計画法改正により、土砂災害警戒区域や一定の浸水想定区域など、災害リスクのある区域については、特別指定区域の指定や建築許可に一定の制限が設けられています。

 

姫路市では、特別指定区域内に災害イエローゾーンが含まれる場合、避難に関する書面の提出などを求めています。

 

さらに、区域によっては、

 

●土砂災害警戒区域では2階以上

 

●想定浸水深3~5mでは2階以上

 

●想定浸水深5m以上では3階以上、または避難可能な床の設置

 

などの安全対策が必要になる場合があります。

 

「家が建てられるか」だけではなく、

 

「どのような条件で建てられるのか」

 

まで確認することが大切です。

 

 


 

「市街化調整区域だから安い」とは限らない

 

不動産を探していると、市街化調整区域の土地が市街化区域の土地より安く販売されているケースがあります。

 

そこで、

 

「安いから買って家を建てよう」

 

と考える方もいるかもしれません。

 

しかし、市街化調整区域では、

 

建築できるかどうかの確認が非常に重要です

 

逆に、特別指定区域などによって一定の建築が可能な土地であれば、市街化調整区域であっても住宅用地として検討できる場合があります。

 

ただし、その価値を判断するためには、

 

●特別指定区域に入っているか

 

●どの区域メニューなのか

 

●誰が建築できるのか

 

●どんな建物が建てられるのか

 

●敷地面積や建物規模の制限

 

●道路・上下水道などの状況

 

●農地転用の必要性

 

●災害リスク

 

●その他の法令上の制限

 

などを一つずつ確認する必要があります。

 

 


 

「市街化調整区域=建てられない」ではない。でも、確認は必要

 

今回、特別指定区域制度を調べてみて、私自身も改めて感じたのは、

 

「市街化調整区域だから建てられない」という単純な話ではない

 

ということです。

 

市街化調整区域は、そもそも無秩序な市街化を抑制するための区域です。

 

一方で、昔から人が暮らしてきた集落まで一律に制限してしまえば、人口減少や高齢化によって地域そのものが衰退してしまう可能性があります。

 

そこで姫路市では、地域住民が中心となって土地利用計画を考え、その地域に必要な住宅や事業所などを一定の条件のもとで認める「特別指定区域制度」を設けています。

 

言い換えれば、

 

「何でも建てられるようにする制度」ではなく、「地域を残していくために、必要な範囲で建築を認める制度」

 

と考えると、この制度の目的が分かりやすいのではないでしょうか。

 

 


 

姫路市の市街化調整区域の土地についてもご相談ください

 

市街化調整区域の土地は、一般的な市街化区域の不動産と比べて、確認しなければならないことが多くあります。

 

特別指定区域についても、

 

「指定されているかどうか」だけでは判断できません。

 

実際の土地について、

 

「この土地には家を建てられるの?」

 

「自分が購入して住宅を建てられる?」

 

「今ある古家を建て替えられる?」

 

「売却するとしたら、どのような買主が対象になる?」

 

といった具体的な確認が必要です。

 

誠心不動産では、姫路市内の市街化調整区域についても、土地の状況や都市計画上の制限などを確認しながら、不動産売買のご相談を承っています。

 

市街化調整区域の土地について「売れるのかな?」「買いたいけど家が建つのかな?」とお悩みでしたら、まずはお気軽にご相談ください。


 

※本記事は、姫路市が公開している都市計画・建築許可関係資料をもとに作成しています。市街化調整区域の建築可否は、区域指定だけでなく、土地・申請者・建築物・接道・農地・災害リスクなどの個別条件によって判断されます。具体的な不動産取引の際には、姫路市への事前確認が必要です。

 

〒480-0103 兵庫県姫路市御立中4-6-5