Column Detail 個人間で不動産売買はできる?知人・親族との取引だからこそ知っておきたい法律・契約の注意点を徹底解説!
2026/07/09

今年、姫路市手柄に完成する「大和工業アリーナ姫路」のシンボルとして、今まで姫路スポーツ会館にあった芸術家・岡本太郎さんの作品「躍動」が移設されたそうです。
太陽の塔でも有名な岡本太郎さんの作品ですが、実は夢前町の「バーズタウン」という山間の住宅街の入口に岡本太郎さんの彫刻「若い泉」という石像があります。
子供の頃からその話は知っていましたが、かつて石像の口から水が流れていたそうです。
いつの間にか故障し、いつしか故障で止まってしまい、長らく放置されていたそうです。
それを自治会の人たちで再度修理して復活させたニュースを拝見しました。
アリーナからは遠く離れていますが、姫路に残る岡本作品をめぐってみてはいかがでしょうか?
さて本日は個人間での不動産売買のお話です。
「親から子へ家を譲りたい。」
「知人同士で土地の売買をしたい。」
「買主は決まっているので、不動産会社を通さなくてもいいのでは?」
このようなご相談をいただくことがあります。
結論から申し上げますと、個人間で不動産を売買することは法律上可能です。
しかし、不動産売買は数百万円から数千万円という大きなお金が動く取引です。さらに、不動産は宅地建物取引業法だけでなく、民法・不動産登記法・税法・都市計画法・建築基準法など様々な法律が関係するため、売買契約書を交わせば終わりというものではありません。
実際に、個人間売買では「親しい間柄だから大丈夫」と考えて進めた結果、引渡し後にトラブルへ発展してしまうケースも少なくありません。
今回は、個人間で不動産売買を行うメリットとデメリット、そして安全に取引を進めるために知っておきたい注意点について詳しくご紹介します。
個人間で不動産売買はできるの?
答えは「できます」。
売主と買主が合意すれば、不動産会社が仲介しなくても売買契約を締結することは可能です。
特に、
●親子・兄弟などの親族間売買
●相続人同士での売買
●知人・友人との売買
●すでに買主が決まっているケース
では、個人間売買が選ばれることがあります。
ただし、「できること」と「安全にできること」は別問題です。
不動産会社が仲介する場合には、価格査定・重要事項説明・契約書作成・各種調査・金融機関との調整・引渡しまで、多くの業務を専門家が行っています。
つまり、不動産会社が行っている仕事は、単なる"仲介"ではなく、トラブルを未然に防ぐためのリスク管理でもあるのです。
個人間売買のメリット
① 仲介手数料を抑えられる
最も大きなメリットは仲介手数料が不要になることです。
例えば3,000万円の物件であれば、仲介手数料は一般的に約105万円(税込)が上限となります。
買主・売主双方にとって、この費用を抑えられる可能性があります。
② 条件を柔軟に決められる
知人や親族との取引であれば、
●引渡し時期
●家具・家電を残すかどうか
●代金の支払方法
●売買価格
などを双方で自由に相談できます。
市場価格だけではなく、お互いの事情を考慮して条件を決められる点も魅力です。
③ 買主が決まっていれば売却活動が不要
通常の売却では、
●査定
●販売活動
●内覧
●購入申込
という流れになります。
一方、個人間売買では買主が決まっているケースが多く、販売活動が不要になるため、取引開始までが比較的スムーズです。
個人間売買で注意したいデメリット
ここからが最も重要なポイントです。
① 契約書の内容次第で大きなトラブルになる
現在の民法では「瑕疵担保責任」ではなく、契約不適合責任という考え方が適用されています。
例えば、
●雨漏り
●シロアリ被害
●給排水設備の故障
●境界トラブル
●建物の傾き
などが引渡し後に判明した場合、契約内容によっては売主が、
●修補請求
●代金減額
●損害賠償
●契約解除
などを求められる可能性があります。
「知らなかった」では済まないケースもあるため、契約内容は非常に重要です。
② 重要事項説明がないことで見落としが生じる
宅地建物取引業者が仲介する場合には、宅地建物取引士による重要事項説明が義務付けられています。
個人間売買では、この説明義務はありません。
そのため、
●接道状況
●用途地域
●建ぺい率・容積率
●都市計画道路
●土砂災害警戒区域
●ハザードマップ
●上下水道
●境界の状況
など、購入判断に重要な情報を十分に確認しないまま契約してしまうことがあります。
後から「そんな話は聞いていない」というトラブルにつながることも少なくありません。
③ 登記手続きは意外と複雑
所有権移転登記や抵当権抹消登記などは法務局へ申請します。
書類に不備があれば補正が必要となり、取引が予定どおり進まないこともあります。
そのため、多くの個人間売買でも司法書士へ依頼するケースが一般的です。
④ 住宅ローンが利用しにくい場合がある
買主が住宅ローンを利用する場合、金融機関は契約内容や物件調査を重視します。
個人間売買自体は住宅ローンを利用できないわけではありませんが、
●契約書の内容
●売買価格の妥当性
●必要書類
などによっては追加資料を求められたり、通常より手続きに時間を要したりすることがあります。
特に親族間売買では金融機関ごとに審査基準が異なるため、事前確認が欠かせません。
⑤ 適正価格を判断するのが難しい
売主は高く売りたい。
買主は安く買いたい。
双方の思いがあるため、適正価格を決めることは簡単ではありません。
また親族間では、
「安く譲ってあげた。」
というつもりでも、極端に相場とかけ離れた価格になると、税務上の問題が生じる可能性もあります。
不動産会社へ査定を依頼し、市場価格を把握しておくことは非常に重要です。
⑥ 境界・越境問題を見落としやすい
実際の現場では、
●ブロック塀が隣地へ越境している
●樹木が越境している
●境界標がない
●フェンスの所有者が不明
などの問題も少なくありません。
こうした問題を整理しないまま売却すると、引渡し後の大きなトラブルへ発展することがあります。
⑦ 税金についても確認が必要
不動産売買では、
●譲渡所得税
●登録免許税
●不動産取得税
●印紙税
などが関係します。
また親族間売買では、価格設定によっては贈与と判断される可能性もあるため注意が必要です。
税理士などの専門家へ相談することで安心して進められます。
安全に個人間売買を行うためのポイント
個人間売買を行うのであれば、次のような専門家の力を借りることをおすすめします。
●不動産会社・・・価格査定や契約内容の相談
●司法書士・・・登記手続き
●税理士・・・税金の相談
●土地家屋調査士・・・境界確認や測量
●弁護士・・・契約トラブルへの対応
「仲介を依頼しない=専門家に相談できない」というわけではありません。
必要な部分だけ専門家へ依頼することも可能です。
まとめ
個人間で不動産売買を行うことは法律上認められており、仲介手数料を抑えられるなどのメリットがあります。
しかし、その一方で契約不適合責任や税金、登記、住宅ローン、境界問題など、多くの法律や専門知識が関係する非常に複雑な取引でもあります。
特に、不動産は一生に何度も経験するものではありません。
「知り合いだから」「親族だから」と安心して契約してしまうと、引渡し後に思わぬトラブルへ発展することもあります。
誠心不動産では、仲介だけでなく、不動産売却や個人間売買に関するご相談も承っております。
「個人間で売買したいけれど何から始めればいいのかわからない」「契約書だけ確認してほしい」「適正価格だけ知りたい」といったご相談でも構いません。
大切な資産を安心して取引していただくためにも、ぜひお気軽に誠心不動産までご相談ください。




