認知症になると家は売れ...

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2026/02/26

認知症になると家は売れない?広畑区清水町の査定事例から学ぶ“後悔しない資産整理”

ミラノ・コルティナ五輪が閉幕し、パラリンピックも待っていますが、いよいよワールドベースボールクラシックが始まります。

 

今回の日本チームも一流のメンバーが揃っているそうなので、2年前の熱狂と感動を今回も期待したいと思います。


 

 

 

かなり前ではございますが、姫路市広畑区清水町にて一戸建ての不動産査定のご依頼をいただきました。


その節は誠にありがとうございました。

 

ご相談いただいたのは、所有者様がご高齢で介護施設へ入所され、現在は空き家となっている住宅でした。


ご家族様としては、今後の介護費用も見据え、売却をご検討されているとのことでした。

 

姫路市内でも近年、同様のご相談は増えています。


その背景にあるのが、「認知症」と不動産売却の問題です。

 

 


 

■ 認知症と診断されたら不動産は売却できるのか?

 

不動産の売買契約は、法律上「意思能力」があることが前提となります。


意思能力とは、ご自身が行う契約の内容や結果を理解し、判断できる能力のことです。

 

仮に所有者様が認知症などにより契約内容を十分に理解できない状態である場合、その契約は無効または取り消しの対象となる可能性があります。

 

宅地建物取引業者は、契約締結にあたり重要事項説明や意思確認を適切に行う義務があります。


そのため、意思能力に疑義がある場合、実務上は売買を進めることが極めて慎重になります。

 

つまり――


認知症と診断されたから即売却できない、という単純な話ではありません。


しかし「契約内容を理解できない状態」と判断されれば、事実上、売却は困難になります。

 

 


 

■ 売却ができない場合 ― 成年後見制度

 

所有者様がご存命で、かつ意思能力が十分でない場合、原則として「成年後見制度」を利用することになります。

 

成年後見制度とは、家庭裁判所が選任した成年後見人が、本人に代わって財産管理や契約行為を行う制度です。

 

ただし、不動産の売却は本人の財産に大きな影響を与える重要な行為にあたるため、後見人が単独で自由に売却できるわけではありません。


通常は家庭裁判所の許可が必要となります。

 

また、制度開始までには一定の時間がかかります。


申立てから後見人選任まで数か月を要するケースも珍しくありません。

 

費用面でも注意が必要です。

 

・申立費用(収入印紙・郵券・鑑定費用等)


・専門職後見人(弁護士・司法書士等)が選任された場合の報酬


・後見制度開始後の継続的な報酬

 

後見人報酬は家庭裁判所が決定しますが、一般的には月額2万円~6万円程度が目安とされるケースが多く、財産状況によって増減します。

 

そして重要なのは、成年後見制度は原則として本人の判断能力が回復しない限り終了せず、多くの場合は本人が亡くなるまで継続する制度であるという点です。

 

つまり、一度開始すると「売却が終わったら終了」という仕組みではありません。

 

 


 

■ 「売却のためだけ」に使える制度ではない

 

成年後見制度は、本来、本人の財産と生活を継続的に守るための制度です。


そのため、「不動産を売るためだけに一時的に利用する」という制度設計にはなっていません。

 

売却が完了した後も、本人がご存命で判断能力が回復しない限り、制度は継続します。


専門職後見人が選任された場合には、その報酬も継続的に発生します。

 

結果として、「売却のためだけに後見制度を利用したが、想定以上に時間と費用がかかってしまった」

というケースも実務上少なくありません。

 

制度そのものが悪いわけではありません。


ただし、“売却のための単発的な手段”として考えると、制度趣旨と一致しないため、思わぬ負担につながる可能性があるのです。

 

 


 

■ 元気なうちにできること

 

だからこそ大切なのは、判断能力がしっかりしているうちに、ご家族で話し合っておくことです。

 

・将来、施設入所の可能性はあるのか


・介護費用をどのように準備するのか


・空き家になった場合は売却か、保有か


・家族の誰が窓口になるのか

 

事前に方向性を共有しておくだけで、選択肢は大きく変わります。

 

また、判断能力があるうちに任意後見契約や家族信託などを検討するという方法もあります。


これらは将来に備える制度であり、後から慌てないための準備といえます。

 

 


 

■ 空き家を放置するリスク

 

空き家状態が長引くと、

 

・建物の老朽化

 

・固定資産税や維持管理費の継続負担


・近隣への影響

 

といった問題も生じます。

 

不動産は「所有しているだけで維持コストがかかる資産」です。


そして同時に、「判断能力」が売却可否に直結する特殊な資産でもあります。

 

 


 

■ 今回のご相談を通して

 

広畑区清水町の物件でも、ご家族様は「元気なうちに話し合っておけば、もっと選択肢があったかもしれない」とお話しされていました。

 

売却を急ぐ必要はありません。


しかし、“売れる状態のうちに判断できる環境を整えておくこと”は非常に重要です。

 

もし現在、

 

・親御様が施設に入所している


・空き家を所有している


・将来の介護費用に不安がある

 

といった状況であれば、まずは現状の整理から始めてみませんか。

 

誠心不動産では、秘密厳守・相談無料でご対応しております。


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