Column Detail 認知症の親の不動産は売却できる?|不動産売買で確認したい「意思能力」と成年後見制度
2026/09/21

台風25号の接近に伴う大雨で、千葉市では道路が冠水し、車が水没する被害が起きているそうです。
今回、関西方面は台風の進路から外れましたが、関東方面の方は土砂災害や浸水、河川の氾濫などには十分にお気をつけください。
また今年に入って車が水没する事例も増えていますが、まずは無理せず不要不急の外出は控えて、安全な場所で過ごすようにしてください。
さて本日は敬老の日でございます。
「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを趣旨としています。
そんな中先日、認知症の高齢者を狙ったリフォーム契約に関する事件が報じられました。
2026年7月には、認知症の80代女性にトイレ修理などの工事契約を結ばせ、約2,000万円を受け取ったとして、リフォーム会社の関係者が準詐欺の疑いで逮捕されています。
警察は、複数の都県で同様の手口を繰り返し、約850~900人から約10億円を受け取ったとみて捜査しました。
さらに2026年9月には、大阪府八尾市でも、当時89歳の認知症女性に不要なリフォーム工事を契約させ、約137万円をだまし取ったとして、元リフォーム業者らが逮捕されたと報じられています。
こうしたニュースを見ると、
「認知症の方が不動産を売買する場合は大丈夫なのだろうか?」
と心配になる方もいらっしゃると思います。
結論:認知症=不動産売買ができない、ではありません
不動産売買で重要なのは、認知症という診断名だけではなく、契約をする時点で本人に「意思能力」があるかどうかです。
意思能力とは、簡単にいうと、
●何を売買するのか
●いくらで売買するのか
●契約すると自分にどのような結果が生じるのか
といったことを理解し、自分で判断できる能力です。
法律上、意思能力を欠いている状態で行われた法律行為は無効となり得ます。
そのため、「認知症だから契約できない」という単純な話ではなく、その契約について本人がどこまで理解・判断できているのかを慎重に確認する必要があります。
不動産売却では特に注意が必要です
不動産は、一般の商品と違って数百万円、場合によっては数千万円以上になることもあります。
例えば、
「親が施設に入ったので実家を売却したい」
「介護費用を準備するために不動産を売りたい」
というご相談は決して珍しくありません。
しかし、所有者本人の判断能力が低下している場合、家族だけで売却を進めることはできません。
本人に十分な意思能力があるのかを確認したうえで、必要に応じて司法書士・弁護士などの専門家へ相談することが大切です。
成年後見制度が必要になるケースも
本人の判断能力が不十分で、自分で不動産売却について判断することが難しい場合には、成年後見制度などの利用を検討することになります。
成年後見制度には、本人の判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」といった制度があります。
成年後見人等が本人に代わって財産管理や契約などを行うことができます。
また、本人が居住している、または以前居住していたなどの「居住用不動産」を成年後見人等が売却する場合には、原則として事前に家庭裁判所の許可が必要です。
許可を得ずに処分した場合、その処分は無効となると裁判所が案内しています。
つまり、
「介護費用が必要だから、家族が代わりに売ればいい」
という簡単な話ではありません。
高齢者の不動産売却は「急がない」ことも大切
消費者庁も、高齢者が住宅の売却や資産管理に関する契約でトラブルになるケースについて注意喚起しています。
特に、
●内容を十分に理解しないまま契約しない
●その場ですぐに契約しない
●家族など周囲の人に相談する
●必要であれば専門家に相談する
ことが重要です。
不動産会社側から見ても、所有者本人の理解が十分なのか疑問がある場合には、契約を急がず、家族や専門家を交えて確認することが重要です。
誠心不動産が大切にしていること
2024年にも、認知症の高齢女性に相場を大きく上回る価格で不動産を購入させたとして、不動産会社関係者が準詐欺の疑いで逮捕された事件がありました。
当時、関係先から約9万人分の高齢者の名簿などが押収されたことも報じられています。
こうした一部の業者による事件が起こるたびに、不動産業界全体への不安や不信につながってしまいます。
不動産は、人生の中でも非常に大きな金額が動く商品です。
だからこそ私たち誠心不動産では、
「売れるから売る」ではなく、「本当に売却してよいのか」を一緒に考えること
も不動産会社の大切な役割だと考えています。
特に高齢の方の不動産売却では、ご本人だけでなく、ご家族のお話も伺いながら、必要に応じて司法書士や弁護士などの専門家につなぐことも大切です。
姫路で不動産の売却を考えている方で、
「親が認知症になったけれど、実家を売却できるの?」
「介護施設の費用のために不動産を売りたい」
「成年後見制度が必要なのか分からない」
という場合は、まずはご相談ください。
不動産会社だけで判断できない問題については、専門家と連携しながら、できるだけ分かりやすくご案内します。
高額な不動産だからこそ、急がず、確認しながら、「ちゃんと」進める。
それが、地域に根付く不動産会社として大切なことだと私たちは考えています。




