「境界が決まらないから...

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2026/08/24

「境界が決まらないから売れない?」不動産売却で知っておきたい「筆界特定制度」とは

欧州サッカーの名門、ドイツ1部ブンデスリーガのボルシア・ドルトムントが全国高校野球選手権で優勝した智弁和歌山を祝福したというニュースを拝見しました。

 

7月にドルトムントが日本に訪れた際に甲子園にて阪神タイガースとの交流もあったそうですが、まさか高校野球の優勝チームを祝福するとはびっくりですね!

 

日本の高校野球が世界でも注目される事は、大変ありがたいことですね!

 

熱い中、激戦を繰り広げた全ての高校球児の皆様、お疲れ様でした。



 

さて、

 

「土地を売却したいけれど、隣の土地との境界がはっきりしない」

 

「昔からある塀が境界だと思っていたのに、お隣さんの認識が違う」

 

「境界確認をお願いしたけれど、隣地の所有者がなかなか話し合いに応じてくれない」

 

不動産売却の現場では、このような「境界」をめぐる問題が、売却を進めるうえで大きな壁になることがあります。

 

特に、古くから所有している土地や、相続によって引き継いだ土地では、境界標が見当たらなかったり、昔の測量図しか残っていなかったり、隣地の所有者が代替わりしていたりするケースも珍しくありません。

 

そして、買主が決まった後になって、

 

「境界が確認できないので、契約を進めることができません」

 

となってしまうと、せっかくの売却話が長期化してしまう可能性があります。

 

そんなときに知っておきたい制度の一つが、**「筆界特定制度」**です。

 

今回は、初めて不動産を売却する方にも分かりやすいように、筆界特定制度とは何なのか、どんな場面で役立つのか、そして不動産売却との関係について、姫路の不動産売買の現場から解説します。

 

 


 

そもそも「筆界」って何?

 

まず、「筆界」という言葉から説明しましょう。

 

不動産を売買するとき、一般的には「境界」という言葉を使います。

 

しかし、法律上は「筆界」と「所有権の範囲を示す境界」が必ずしも同じとは限りません。

 

筆界とは、土地が登記された際に、その土地の範囲を区画するものとして定められた線のことです。

 

そして、一度定められた筆界は、隣地所有者同士が「ここを境界にしましょう」と合意しただけで変更できるものではありません。

 

一方、所有権の範囲を示す線については、筆界と一致しない場合があります。

 

例えば、

 

●昔から使っている土地の範囲と登記上の筆界が違う

 

●土地の一部を譲渡した

 

●長年の占有によって所有権を取得したと主張している

 

●古い塀やフェンスの位置と登記上の筆界が一致していない

 

といった場合です。

 

そのため、土地の「境界」で問題が起きたときには、まず何について争っているのかを整理することが重要です。

 

 


 

なぜ「境界」が不動産売却の問題になるの?

 

「境界なんて、現地にあるブロック塀を見れば分かるのでは?」

 

そう思われる方もいるかもしれません。

 

ところが、不動産売却ではそれほど単純ではありません。

 

例えば、次のようなケースを考えてみましょう。

 

【事例】昔からあるブロック塀が境界だと思っていた

 

姫路市内で、相続した一戸建てを売却することになったAさん。

 

敷地の周囲には古いブロック塀があり、

 

「この塀が境界だと思います」

 

と考えていました。

 

ところが、土地家屋調査士に調査してもらったところ、法務局の資料や過去の測量図などから見ると、必ずしもブロック塀の位置が筆界と一致しているとは判断できませんでした。

 

そこで隣地の所有者に境界確認をお願いしたところ、

 

「うちでは昔からこの塀が境界だと聞いている」

 

との回答。

 

売主側と隣地所有者側で認識が一致しません。

 

この状態では、買主からすれば、

 

「購入した土地が実際にはどこまでなのか分からない」

 

という不安が残ります。

 

結果として、境界の問題が解決するまで契約を待つことになり、売却スケジュールそのものが延びてしまう可能性があります。

 

 


 

境界問題は「隣人との話し合い」だけでは解決しないこともある

 

境界の問題が難しい理由の一つが、隣地所有者との認識の違いです。

 

売主からすれば、

 

「ここが昔から境界です」

 

隣地所有者からすれば、

 

「いや、そこではありません」

 

ということがあります。

 

さらに、

 

●隣地所有者が遠方に住んでいる

 

●相続で所有者が変わっている

 

●相続人が複数いる

 

●所有者と連絡が取れない

 

●昔の経緯を知っている人がいない

 

●境界標がなくなっている

 

●古い図面しか残っていない

 

など、単純な話し合いでは解決しにくいケースもあります。

 

法務局も、実際に「お隣さんと境界の認識が異なる」「隣地所有者が筆界の確認に立ち会ってくれない」「筆界未定を解消したい」といったケースを、筆界特定制度の活用が考えられる例として紹介しています。

 

 


 

そこで知っておきたい「筆界特定制度」

 

筆界特定制度は、簡単に言えば、

 

土地の本来の筆界が現地のどこにあるのかを、法務局の手続きによって明らかにする制度

です。

 

ここで非常に大切なのが、

 

筆界特定制度は、新しい境界を作る制度ではありません

 

ということです。

 

すでに登記された土地について、資料調査や現地調査、測量などを行い、もともと存在している筆界が現地のどこなのかを明らかにします。

 

筆界特定を行うのは「筆界特定登記官」です。

 

その調査の過程では、土地家屋調査士などの専門家から任命された「筆界調査委員」が、現地調査や測量などを行い、筆界についての意見を提出します。

 

そして、その意見を踏まえ、筆界特定登記官が筆界を特定します。

 

 


 

筆界特定制度を利用するメリット

 

では、土地を売却する人にとって、筆界特定制度にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

① 隣地所有者との話し合いだけに頼らなくてもよい

 

大きなメリットの一つがこれです。

 

通常の境界確認では、

 

「お隣さんにも確認してもらう」

 

というプロセスが必要になります。

 

しかし、隣地所有者が話し合いに応じてくれない、連絡が取れない、認識が一致しないといった場合には、話し合いだけでは前に進みません。

 

筆界特定制度は、一方の土地所有者から申請することができます

 

つまり、相手方が申請に同意してくれないからといって、制度を利用できないわけではありません。

 

 


 

② 裁判以外の方法で公的な判断を得られる

 

境界トラブルと聞くと、

 

「最終的には裁判になるのでは?」

 

と考える方も多いと思います。

 

もちろん、筆界をめぐる問題については「筆界確定訴訟」という裁判によって解決する方法もあります。

 

しかし、その前段階として筆界特定制度を利用することで、裁判をせずに法務局による公的な判断を得ることができます。

 

これは、隣地所有者との関係を考えても大きな意味があります。

 

不動産売却では、

 

「隣のお宅と裁判をすることになった」

 

という状況をできるだけ避けたいものです。

 

筆界特定制度は、裁判による解決とは異なる選択肢として利用できます。

 

 


 

③ 裁判に比べて費用負担が少なく、早期の判断が期待できる

 

政府広報では、筆界特定制度について、裁判と比較して費用負担が少なく、一般的に裁判よりも早期に判断が示されると説明されています。

 

2025年7月に掲載された政府広報では、筆界特定の判断は多くが半年から1年程度とされています。

 

ただし、これはあくまで目安です。

 

土地の形状が複雑だったり、関係する資料が多かったり、隣接する土地が多かったりする場合には、より長い期間を要する可能性があります。

 

「半年で必ず終わる」と考えるのではなく、時間のかかる可能性がある制度だからこそ、売却を考え始めた段階で早めに検討することが重要です。

 

 


 

費用はどれくらいかかる?

 

筆界特定制度には申請手数料がかかります。

 

この手数料は、対象となる土地の価格などを基に算定されます。

 

例えば政府広報では、対象となる土地2筆の合計価格が4,000万円の場合、申請手数料は8,000円と紹介されています。

 

ただし、ここで注意したいのは、

 

「8,000円だけで全部できる」という意味ではない

 

ということです。

 

手続きの中で測量が必要になった場合には、別途、測量に要する費用が発生します。

 

実際に法務局の手続きでも、測量費用の概算額を申請人が予納する場合があるとされています。

 

したがって、実際に必要となる費用は土地の状況によって異なります。

 

 


 

筆界特定制度を使えば「売却できる」の?

 

ここは、売主の方にぜひ知っておいていただきたいポイントです。

 

筆界特定をしたから、必ずそのまま売却できるというわけではありません

 

筆界特定制度が明らかにするのは、あくまで「筆界」です。

 

所有権がどこまで及んでいるのかという「所有権界」の問題を直接解決する制度ではありません。

 

また、筆界特定の結果には、裁判の確定判決のような法的拘束力はありません。

 

そのため、結果に不服がある場合などには、後から筆界確定訴訟で争うこともできます。

 

つまり、

 

筆界特定=すべての境界問題が完全に解決する魔法の制度

 

ではありません。

 

ここは非常に重要です。

 

 


 

不動産売却では「売り始めてから」では遅いことも

 

私たちが不動産売買の現場で感じるのは、

 

境界問題は、売却活動を始める前に確認しておくほど安心

 

ということです。

 

例えば、

 

「そろそろ実家を売ろうかな」

 

と考えた段階で、

 

●境界標があるか

 

●測量図が残っているか

 

●地積測量図があるか

 

●隣地との境界確認書があるか

 

●過去に境界について問題になったことがないか

 

●古いブロック塀などが境界と一致しているか

 

●隣地所有者と連絡が取れるか

 

などを確認しておくと、売却時のリスクを早く把握できます。

 

もし境界に問題がありそうなら、売却活動と並行して専門家に相談することもできます。

 

 


 

【売却事例】境界問題を早めに確認しておけば、選択肢が増える

 

例えば、相続した土地を売却しようとしているケース。

 

最初の査定時点では、

 

「特に問題のない土地だと思います」

 

と所有者の方は考えていました。

 

しかし、詳しく調査してみると、隣地との境界標が一部なくなっており、昔の資料と現況にも少し違いがあることが分かりました。

 

この段階で、

 

「売却を始めてから考えましょう」

 

と先送りしてしまうと、買主が見つかってから問題が発覚する可能性があります。

 

一方、売却活動を始める前に、

 

この土地には境界について確認すべき点がある

 

と分かっていれば、

 

土地家屋調査士への相談や隣地所有者との確認、必要に応じた筆界特定制度の検討など、時間をかけて対応することができます。

 

不動産売却では、問題をゼロにすることだけが重要なのではありません。

 

問題を早く見つけて、売却までにどのように解決するかを考えることが重要なのです

 

 


 

「隣の人と仲が悪いから筆界特定」という話ではありません

 

筆界特定制度という名前から、

 

「隣人と揉めている人が利用する制度」

 

というイメージを持つ方もいるかもしれません。

 

しかし、必ずしもそうではありません。

 

例えば、

 

「隣地の所有者が遠方に住んでいる」

 

「相続で所有者が変わっていて、昔のことが分からない」

 

「所有者と連絡がつかない」

 

「境界についてお互いの認識が違う」

 

といった事情でも、制度を検討することができます。

 

法務局も、隣接地所有者が不明で立会いができないケースや、相続人が不明で立会いができないケースについて、筆界特定制度に関するQ&Aを設けています。

 

ですから、

 

お隣さんと揉めているから使う制度」ではなく、「通常の境界確認だけでは解決が難しいときの選択肢

 

と考えると分かりやすいでしょう。

 

 


 

姫路で不動産売却を考えている方も、まずは「境界」を確認しましょう

 

姫路市内でも、古くからある住宅地や相続した土地では、境界に関する資料が十分に揃っていないケースがあります。

 

特に、

 

●古い戸建住宅

 

●相続した実家

 

●昔から所有している土地

 

●境界標が見当たらない土地

 

●古い測量図しかない土地

 

●隣地所有者が代替わりしている土地

 

●過去に境界について話し合ったことがある土地

 

などは、売却前に一度確認しておくと安心です。

 

姫路市の不動産登記については、神戸地方法務局 姫路支局が管轄しており、姫路市北条一丁目にあります。

 

登記手続案内は予約制となっています。

 

もちろん、売主様ご自身ですべてを調べなければならないわけではありません。

 

不動産会社に売却相談をしていただいた際に、

 

「境界がちょっと心配なんですが……」

 

と最初に伝えていただければ、土地家屋調査士などの専門家への相談を含め、どのように進めるべきかを一緒に整理することができます。

 

 


 

不動産売却で大切なのは「問題がないこと」ではなく「問題を早く把握すること」

 

不動産を売却するとき、

 

「何か問題があったらどうしよう」

 

と心配になる方は少なくありません。

 

しかし、実際の不動産売却では、古い家だから、境界標がないから、昔の測量図しかないからといって、必ず売却できないわけではありません。

 

大切なのは、

 

今、この土地には何が問題になりそうなのか

 

を早い段階で把握することです。

 

境界についても、

 

「境界がないから売れない」

 

と決めつけるのではなく、

 

  1. 現在の資料を確認する

 

  1. 現地の状況を確認する

 

  1. 隣地との認識を確認する

 

  1. 必要に応じて土地家屋調査士へ相談する

 

  1. 通常の境界確認で解決できるのか検討する

 

  1. 難しい場合は筆界特定制度などを検討する

 

というように、一つずつ整理していけばよいのです。

 

 


 

「売却したいけれど、境界が心配」という方へ

 

不動産売却は、価格だけを決めれば終わるものではありません。

 

境界、権利関係、建物、相続、道路、越境など、売却前に確認しておきたいことがいくつもあります。

 

特に境界については、隣地所有者との関係もあるため、問題が発覚してから短期間で解決するのが難しい場合があります。

 

だからこそ、

 

「まだ売るかどうか決めていないけれど、土地の境界がちょっと気になる」

 

という段階でも、一度専門家や不動産会社に相談してみることをおすすめします。

 

売る・売らないを決める前に、まず土地の状態を把握しておく。

 

それだけでも、いざ売却するときの選択肢は大きく変わります。

 

誠心不動産では、姫路市を中心に土地・戸建・マンションなどの不動産売却についてご相談を承っています。

 

「境界がよく分からない」

 

「隣地との境界確認ができていない」

 

「古い実家なので、売却できるのか心配」

 

といったご相談でも構いません。

 

売却するかどうかを決める前のご相談でも大丈夫です

 

まずは現在の不動産の状況を一緒に整理するところから始めてみませんか。

 

 


 

まとめ|筆界特定制度は「売却を止めないための選択肢」の一つ

 

今回ご紹介した筆界特定制度は、土地の筆界について隣地所有者との認識が違う場合や、立会いが難しい場合などに、法務局による公的な手続きによって筆界を明らかにするための制度です。

 

ポイントをまとめると、

 

●筆界は登記された土地の範囲を区画する線

 

●筆界特定は新しい境界を作る制度ではない

 

●法務局の筆界特定登記官が判断する

 

●筆界調査委員などの専門家が調査を行う

 

●一方の土地所有者から申請できる

 

●裁判以外の方法で筆界を明らかにできる

 

●一般的に裁判より費用負担が少なく、早期の判断が期待できる

 

●ただし、測量費用などが別途必要になる場合がある

 

●所有権の範囲そのものを決める制度ではない

 

●結果には裁判の確定判決のような拘束力はない

 

●不動産売却を考えるなら、問題が発覚してからではなく早めの確認が重要

 

ということになります。

 

境界問題は、決して珍しい問題ではありません。

 

そして、境界が少し曖昧だからといって、すぐに「この土地は売れない」と考える必要もありません。

 

大切なのは、売却を始める前に問題を把握し、必要な対応を早めに考えておくこと。

 

姫路で土地や一戸建ての売却をお考えの方は、境界について気になることがあれば、ぜひ早めにご相談ください。

 

※本記事は、政府広報オンライン、法務省、法務局が公開している情報を基に作成しています。個別の案件では土地の状況や登記資料、隣接地との関係などによって対応が異なります。筆界特定制度の利用を検討される場合は、管轄の法務局や土地家屋調査士などの専門家への相談をおすすめします。

 

〒480-0103 兵庫県姫路市御立中4-6-5